ご相談内容
被害者 |
60代,会社員女性 |
部位 |
首,腰 |
傷病名 |
頚椎捻挫,腰椎捻挫 |
後遺障害等級 |
14級 |
獲得金額 |
160万円(既払い金除く) |
事故から4か月経過後に保険会社から休業補償の打切りを通告された。
現在も仕事に復帰できる状態ではないので,その分の休業補償を求めたい。
サポートの流れ
項目 |
サポート前 |
サポート後 |
増額幅 |
後遺障害等級 |
14級 |
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|
入通院慰謝料 |
92 |
103 |
11 |
休業損害 |
57 |
83 |
26 |
逸失利益 |
48 |
76 |
28 |
後遺障害慰謝料 |
99 |
110 |
11 |
合計 |
296 |
372 |
76 |
単位:万円 |
示談交渉段階では保険会社が休業損害を認めなかったため,訴訟を提起した。
訴訟においては,勤務先から被害者が事故前に従事していた作業内容を詳細に調査し,証拠として提出した。
これにより,被害者が従事していた作業は特に首,腰に負担のかかる作業であることを裁判所へ示した。
併せて,主治医にも面談し,治療期間中の症状が上記作業に及ぼす影響を確認した。医師の意見では,上記のような作業に耐えうる状態でなかったとのことであったため,同旨の意見書の作成を依頼し,証拠として提出した。
解決内容
裁判所が全治療期間(8か月間)にわたる休業の必要性を認め,これを前提とした和解案を双方に提示し,双方がこれを受諾した。
所感(担当弁護士より)
身体の欠損を伴うような傷病や12級以上の重い等級が認められる場合には,治療期間中の休業損害について争われることは少ないですが,14級若しくは非該当の場合,治療期間中の休業の必要性について争われることがあります。
とくに,他覚的所見のないむち打ち損傷の場合,傷病を原因として休業していても,保険会社が全期間の休業補償の支払いを認めることはほとんどありません。3,4か月以内に休業補償の支払いが打ち切られる場合が多いといえます。
訴訟を行った場合でも,単に「傷病のために勤務できなかった」と主張するだけでは,全治療期間にわたって休業の必要性が認められることはありません。
こういったケースでは,傷病の内容を羅列するだけではなく,被害者が勤務先で具体的にどのような作業に従事していたのか,被害者の傷病の部位がどこであり,どのような症状を伴うのかといったことを具体的に立証する必要があります。それによって,本件の傷病が被害者が事故前に従事していた作業にどのような影響を及ぼすのかということを裁判所に説得的に示す必要があります。
本件は,具体的な仕事内容と傷病のつながりを意識した主張立証を行うことにより,8か月もの長期にわたるの休業の必要性の証明に成功した事案であるといえます。