後遺障害等級に大きく影響する「併合・相当・加重」の考え方

事故により、既存の後遺障害部位に重ねて怪我を負った場合や、複数箇所に後遺症が残ってしまうことがあります。

このような場合、併合・相当・加重という考え方を適用することで、適切な後遺障害等級を決定するための要素としています。

ここでは、後遺障害等級に影響を与える併合・相当・加重という取り扱いについて解説します。

後遺障害が複数箇所に認められる場合は「併合」により等級調整する

事故で複数箇所に後遺障害が残った場合、各障害の等級を併合することによって1つの等級にまとめます。

併合の基本的なルールは「より程度の重い等級を基準とする」考え方に基づき、重い等級に合わせるか繰り上げることによって調整を行います。

従って、13級以上の等級が複数ある場合は、より重い方の等級を1つ繰り上げます。14級は最低等級のため、繰り上げはなく据え置きとなります。

併合のパターン

重い方の等級を繰り上げる方法を基本とし、等級によって繰り上げ分は変化します。

  • 13級以上の等級が複数ある場合は、重い等級を1つ繰り上げ
  • 8級以上の等級が複数ある場合は、重い等級を2つ繰り上げ
  • 5級以上の等級が複数ある場合は、重い等級を3つ繰り上げ
  • 併合して1級を超える繰り上げとなる場合は、1級として認定

みなし系列

後遺障害を部位別に区分して整理細分化したものを「同一系列にある障害」と呼びます。

同じ部位に異なる系列の障害が残った場合は「みなし系列」とされ、同じ系列内の障害として扱います。

例えば、左右の眼球の視力や調節機能、視野障害や運動機能に障害がある場合や、上肢あるいは下肢の同じ部分に生じた機能障害や手指欠損がこれに当たります。

組み合わせ等級

以下に挙げる特定のケースにおいては、障害の部位や系列は異なるものの、併合ではなく組み合わせによる等級が適用されます。

例えば、両上肢あるいは両下肢及び手足指の機能障害や欠損、両まぶたの機能障害や欠損がこれに当たります。

実際の併合例や見なし系列、組み合わせ等級は、個々の被害者が負った後遺障害の程度によって変わってきます。

正しく併合の判断をしてもらうためには、医師による十分な診察と治療、適切な後遺障害等級の獲得が不可欠となります。

後遺障害等級表に該当するものがない場合は「相当」として認定する

後遺障害の中には等級表に掲載のないものもあります。

その場合は障害の程度を考慮し、相応しい等級に相当するものとして取り扱います。

具体的には、属する系列自体がない嗅覚障害や味覚障害の場合、機能が減退したものを14級相当、機能を失ったものを12級相当としています。

また、痕や外見を著しく損なう傷跡等については、属する系列は存在するものの該当する項目がなく、この場合は12級相当として扱われます。

既存の後遺障害がさらに重傷化した場合は「加重」として上位等級になる

既存の後遺障害部位に重ねて怪我を負い、障害の程度が重くなった場合は、加重の扱いにより等級が上がります。

この時、既存の等級と加重により上がった等級との差に応じた賠償金が支払われることになります。

従って、もともと後遺障害5級だった人が、同一部位にさらに重大な怪我を負い4級となった場合、4級の賠償金額から5級の賠償金額を差し引いた残りについて支払いが行われます。

併合、相当、加重を適正に判断し賠償金を最大化するには弁護士へ相談を

賠償金を最大化するために最も重要なことは、適正な後遺障害等級を獲得する点にあります

獲得した等級によって賠償金の額は8割方決定すると言っても過言ではありません。

従って、併合・相当・加重に該当すると思われる場合、いかに正しく医師に状態を理解してもらい、少しでも上の等級を得られるよう診断書に反映してもらうかが非常に大切なのです。

ただし、併合・相当・加重が関係する等級申請は決して簡単なものではなく、1人で申請を行い示談交渉に臨むにはあまりにも負担が大きくなりすぎます。

だからこそ、弁護士の力を活用し、医師との連携を強化する必要があるのです。

一般的に弁護士は、「後遺障害と事故には因果関係があると思うか?」「画像所見で症状が確認できると思うか?」等、単刀直入な尋ね方をする傾向があります。

しかし、相手が答えやすいような聞き方をしなければ、医師としても適切に回答しようがありません。

そこで当事務所では、その医師がどのような人物なのか把握することに努め、医師が答えやすいような配慮を行って症状確認を行うようにしています。

例えば、意見書に書いて欲しい事柄について、質問項目の一覧を持参し、それに基づいて丁寧に医師から話を伺います。

そうすることで、医師としてもこちらが何を知りたがっているのか明確になり、質問事項の細かなニュアンスも伝わるため、的確な回答を得ることができます。

弁護士の力量は、医師を始めとする関係各所といかに十分なコミュニケーションを採れるかという部分に表れますし、患者一人一人の実情に沿って丁寧に対応していけば、きちんと立証して適正な賠償金を獲得することもできるのです。

併合・相当・加重が関わる後遺障害等級の取り扱いは、非常に専門的な知識と深い経験を要しますので、交通事故問題に注力する当事務所まで、ぜひご相談頂くことをお勧め致します。

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