過失割合の基礎知識と修正要素

交通事故では当事者双方に何らかの落ち度があるとして、責任の重さを割合化した数値で表します。
これを過失割合と呼び、決定された割合に基づき双方の賠償額が決まります。

一般的に相手方の保険会社から過失割合の提示を受けますが、納得できないまま受け入れると、不当に低い賠償金額に合意することになりかねません。

ここでは、正しい認識のために、過失割合の基礎知識と修正要素について解説します。

交通事故の責任を双方で負担した数値が過失割合

加害者だけが一方的に悪いという交通事故は稀なケースで、ほとんどの場合で被害者にもいくらかの責任があると見なされます。責任の重さは数値化されて割合で示され、数値の大きい方が加害者、小さい方が被害者となります。

加害者側は自らの責任において生じた損害を負担しなければなりませんが、突然事故に巻き込まれた被害者側としては、怪我や物的損害に対して想定外の支出を余儀なくされることになります。

入通院期間中は仕事に制限がかかりますし、事故による精神的苦痛や後遺障害による不便の残存等も起こり得ます。

これらの支出や弊害、様々な苦痛に対し、被害者は加害者に対して損害賠償請求を行うことができますが、その額を決める重要ポイントとなるのが過失割合です。

例えば過失割合が7:3だった場合、被害者は自らの過失とされる30%分を差し引いた金額しか相手に請求できないことになるのです。

従って、被害者としては自らの過失割合をできるだけ低く抑え、少しでも相手方に賠償してもらう金額を大きくすることが重要となります。

交通事故の過失割合は保険会社が事務的に判断していることが多い

過失割合は、過去の判例や今回事故の実況見分調書等を参考にして、保険会社が任意に決定し被害者に伝えてくることがほとんどです。

過去に起きた事故判例のうち、今回事故によく似たケースを探し出し、それに基づいて過失割合を決定すると言われています。

過去の判例を利用していることから、正しい判断基準のようにも思えますが、個々の事故様態は全く異なるものですし、当然ながら過失割合の在り方も千差万別です。

従って、保険会社が提示する割合の適切さには疑問が残る面もあるのです。
被害者としては、保険会社が主張する過失割合がよく調査されて導き出されたものなのか、慎重に判断する必要があるのです。

状況により過失割合はより正しく修正される

全ての事故は必ずしも同じ条件下で発生するわけではなく、事故当時者の状態も個々のケースで異なります。

このため、1つ1つの事故における過失割合をより正しく評価する必要があり、必要に応じて修正要素が適用され割合が調整されます。

例えば、車同士事故において、片方が赤信号でもう片方が黄信号だった場合、過失割合は赤信号と黄信号でそれぞれ8:2となりますが、いずれも赤信号だった場合、双方の過失割合は等しく5:5となります。

また、運転者に重過失が認められる場合は1割程度、著しい過失があった場合は2割程度、割合が加算されて修正されることになります。

気を付けたい自転車や歩行者との事故

自転車や歩行者は、車に比べて著しくダメージを受けやすいことから、運転者は極めて注意深く走行しなければいけません。
車と自転車による事故は大事になりやすく、時に死亡事故に発展することもあります。

車体が出せるスピードも車の方が圧倒的に速く、自転車は衝突時の衝撃を防ぐ術もありませんから、事故になった場合は車の運転者により重たい責任があるとされます。

歩行者が相手の事故では圧倒的に歩行者が弱い立場になるため、遅いスピードでの衝突でも骨折事故、速いスピードでは死亡事故に至ることが多々あります。

特に、相手が子供や高齢者、障がい者の場合、瞬時の回避動作が困難であることから、車の運転者にはより大きな過失割合が加算されることになります。

現場が住宅地等、人の往来が多い場所である場合も、運転者は最大限の注意を払って走行する必要があるため、事故が起きた場合はより大きな責任を負います。

過失割合でお困りの際は当事務所までご相談を

当事務所では、適正な過失割合を証明するために、できる限り事故現場に足を運ぶよう心がけています。

Googleストリートビューを利用すれば現場一帯の風景を見ることができますが、あくまでも限られた範囲しか確認できません。

事故の状況を把握し適正な過失割合の根拠を見つけるためには、実際に現場を走行し、車の中から見える車や人の動きを体感することが非常に重要なのです。

そうすることによって、依頼者が説明する状況を自分の体験として疑似的に共有することができますし、そこから考え得る事故とその過失割合を想定することもできます。

当事務所は、地元鈴鹿市近辺では最も交通事故に注力していますので、ぜひ早めにご相談頂き、二人三脚で過失割合問題の解決を目指しましょう。

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